新潟県上越市にある高田城址公園(高田公園)をご存じですか?日本三大夜桜に挙げられる名所としても有名ですね。真っ先に桜を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
桜のイメージが強い高田城址公園ですが、その魅力は桜だけではありません。今回は初夏の魅力ハス(蓮)について、見頃や開花時期などを交えてご紹介します!
「東洋一」と称されるハスの花とは?
高田城址公園の旧名称は高田公園です。令和2年4月1日に変更されたので、名称が変わってからまだ数年しか経っていません。もしかしたら、旧称のほうが馴染みがあるかもしれませんね。ちなみに、高田城址公園の読み方は【たかだじょうしこうえん】です。
この公園は徳川家康の息子、松平忠輝公の住まいであった高田城跡に造られた経緯があります。この付近は江戸時代初期からの城下町なのですね。歴史が長いです。そこで上越市は、
歴史と文化を知ることで、市民の方々に愛着と誇りを持ってほしい!
と願いを込めて名称変更をしました。地域活性化への意気込みや期待も感じられますね。
公園の面積は約50ヘクタール。あまりピンとこないかもしれませんが、これは東京ディズニーランドと同じくらいの広さです。街の中にある公園としては、かなり規模が大きいですよね。
明治40年(1907年)に多くの堀を埋めたてたとされていますが、今でも約19ヘクタールほどの堀が残っています。ちなみに19ヘクタールは東京ドーム約4個分。多くを埋め立てたとはいえ、まだまだ十分な広さです。そこに咲くのが、「東洋一」と称されるハスの花たちです。
堀はまるでハスのじゅうたんが敷かれたのようです。見渡す限りに広がっています。なぜこんなにもハスがたくさんあるのでしょうか?その起源は明治初期までさかのぼります。
当時は戊辰戦争や凶作の影響により、高田藩の財政がとても苦しい状態でした。困窮状態を救うため高田城の外堀にハスを植え、レンコンを売ることで財源を確保したのです。その後もレンコン掘りは続けられ、昭和37年(1962年)まで行われました。なんと100年近くも栽培されていたのですね。堀を活用してレンコンで財源を確保するとは、素晴らしいアイディアです!
高田城址公園のハスの種類はほとんどが赤いもので、部分的に白いものも混じります。昭和28年(1953年)にハスの研究者である故 大賀一郎氏が訪れた際、
ハス池でこのような規模は世界でもまれだ。
特に赤い花と白い花が入り混じっているところが珍しい!
と大変に賞賛されました。この言葉を聞いた上越市民は、とても誇りに思ったそうです。そこから「東洋一のハス」と伝えられるようになったといわれています。
さまざまな種類が咲いていますが、そのほとんどは和蓮です。主な品種を挙げてみました。
- 天竺斑蓮(てんじくはんれん)
- 金輪蓮(きんりんれん)
- 敖漢蓮(あおはんれん)
- 廬山白蓮(ろざんはくれん)
- 玉繍蓮(ぎょくしゅれん)
- 一天四海(いってんしかい)
漢字が難しいです…!ふりがなが無いと読めないものがほとんどでした…。仏教との関連があるハス。お釈迦様の台座もハスですね。今回挙げた品種名はどことなく、仏教の雰囲気が感じられます。泥の中でも堂々と花咲く姿や、神秘的な魅力を表現した品種名だと思いました。
高田城址公園のハスの見頃・開花時期は?
高田城址公園では例年、7月下旬から8月中旬が見頃とされています。開花時期に関しては、早いものは6月下旬、遅いものは9月上旬までのようです。咲き始めから終わりまでを考えると、鑑賞時期はかなり長いですね。チャンスがあれば、期間中に何回も訪れることができそうです!
そして1日のうちでも見頃の時間帯があります。それは午前中です。ひとつのハスの花は4日間しか咲きません。開花何日目かにより開き始める時間帯が異なりますが、いずれにしても午前中であれば花開くハスの姿に出会えます。
ひとつのハスの花がどのように咲いていくのか、時系列を調べてみました。
【1日目】 午前5~6時ころから、1分間で2ミリくらいの速さで
開き始め、3センチくらいまで開いてから、午前8時ころに閉じます。
【2日目】 午前1~2時ころから開き始めて、午前7~9時ころまでにお椀状に開き、昼ごろまでに閉じます。
【3日目】 午前1~2時ころから開き始めて、午前9~10時ころまでに完全に開きます。午後は半開きとなり、そのまま、その日は終わります。
【4日目】 夜中から開き始めて、午前6時ころには完全に開きます。その後、花びらが落ち始めて、午後には花がなくなるといわれています。午後も開いている花は、その日が最後の日です。
深夜や早朝から活動し始めるようですね…!少し開いては閉じてを繰り返す…なんだかハスは恥ずかしがりやなのかなと感じました(笑)
ハスの花が咲くときにポンと鳴るという伝説もありますが、実際は一気に開くのではなくミリ単位でゆっくりゆっくり花開くため、音はしないそうです。音が鳴るなら早起きをして聞いてみたい気もしたのですが…!
ちなみに、下の写真は14時すぎに撮影したものです。やっぱり午後になると、咲いている花が少ないですね。
これまでの話から「たくさんの花を楽しみたい方はぜひ午前中に!」となるのですが、午後は午後で楽しめました。開いていた花が閉じたり散ったりする様子が見られるからです。時間が経つにつれて、花がどんどん減っていくのがわかるのです。この日は一時間滞在し、到着時と帰宅時では違う景色を見ることができました。
ハスを楽しむイベント、高田城址公園観蓮会
「高田城址公園観蓮会」の旧名称は「上越はすまつり」です。令和2年度に公園名が変わったタイミングで、こちらも名称を変更しました。
期間中はハスの観察会等が開催されます。堀中だけでなく、歩道にも様々な品種のハスが展示されており、近距離から見ることができました。品種名も併せて記載してあるので、色や形だけでなく名前も楽しむことができました。
2021年は7/19~8/22、2022年は7/16~8/21の開催でした。2023年は未定ですが、例年から予測すると7/15~8/20に開催されるのではないかと思います。詳しくは、高田城址公園観蓮会実行委員会事務局(公益社団法人上越観光コンベンション協会内)からの発表を待ちましょう。⇒2023年の確定情報が出ました!
- 2021年(第42回):7/19(土)~8/22(日)開催
- 2022年(第43回):7/16(土)~8/21(日)開催
2023年(第44回):未定⇒2023年7月15日(土曜日)~8月20日(日曜日)と発表
※例年通りであれば、7/15(土)~8/20(日)の可能性が高い
昨年訪れましたが、入場料などはありませんでした。ただ、イベントによっては費用がかかる場合もあります。過去には期間限定ハスの御城印があったり、市街地のお店と連携したイベントもありました。
堀の周りにはお休み処として長椅子がありますので、お子さんからご年配の方まで安心です。腰をかけてゆっくりとハスを眺めることができますよ。夏場は日差しも強くなります。熱中症や日焼け対策もお忘れなく。
写真撮影のおすすめスポット
個人的におすすめなのは、西堀での撮影です。西堀橋の朱色・ハスの花のピンクと白・葉の緑…色合いが絶妙です!それぞれの色が映えますね。
橋の上から撮影している方もいました。散策しながらの撮影も楽しいですね。堀は広いので、みなさんも自分の写真スポットを探してみてくださいね!
高田城址公園へのアクセス・駐車場は?
住所:〒943-0835 新潟県上越市本城町44-1
開園時間:24時間
交通アクセス(電車):
北陸新幹線「上越妙高駅」からタクシーもしくはレンタカーで10分
えちごトキめき鉄道・妙高はねうまライン「高田駅」から徒歩15分
交通アクセス(路線バス):
頸城バス「高田城址公園入口」下車徒歩1分
交通アクセス(車):
北陸自動車道「上越IC」から10分
上信越自動車道「上越高田IC」から10分
駐車場:第1~8駐車場 約850台(無料。ただし観桜会など時期によっては有料)
駐車場は第1~第8までありますが、西堀に近いのは第1・第7駐車場です。南堀を見るなら第4・5・6駐車場がよいでしょう。
まとめ:高田城址公園2023年ハスの見頃・開花時期を予測
今回は高田城址公園の概要、ハスの見頃・開花時期、高田城址観蓮会、写真撮影のおすすめスポット・アクセスや駐車場についてご紹介しました!
桜が注目されがちですが、ハスの魅力も伝わりましたでしょうか?
ぜひ今年、「東洋一」のハスを楽しんでくださいね。
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